YouTubeは単なる動画共有サイトという枠を超え、現在では企業のマーケティングツールとしても重要な役割を果たすサービスとなっています。大企業だけでなく、中小企業や個人事業主もYouTube上にチャンネルを開設し、独自の動画コンテンツを配信することで、集客やプロモーションに活用しています。
「我が社もYouTubeチャンネルを開設して、様々な情報を動画で発信したい」と考えているものの、YouTubeで動画を配信する具体的なメリットや運営の手順が不明で、どのように始めればいいかわからず悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では、中小企業がYouTubeチャンネルを運営する際のメリットと、運営において注意すべき点について詳しく解説しています。
中小企業がYouTubeチャンネルを運営するメリットについて
YouTubeチャンネルを運営すると、以下のようなメリットがあります。
異なる見込み客層へのアプローチが可能
2023年5月時点で、日本国内の18歳以上のYouTube月間視聴者数は7,120万人を超えており、利用者数は非常に多いです。視聴者の年齢層は幅広く、特に45歳～64歳の層は2,680万人に上ります。YouTubeチャンネルを開設し動画を配信することで、これら幅広い年齢層に対してプロモーションが行えます。
また、購入前に商品やサービスの使い方や特徴をYouTubeで調べる人が増えているため、これまでリーチできなかった見込み客層へのアプローチも期待できます。
製品やサービスをより理解しやすく伝えることができる
動画は、文字情報と比較して、圧倒的に多くの情報を短時間で伝えることができます。例えば、1分間の動画で伝わる情報量は、文字に換算すると約180万語、一般的なWebページ約3,600ページ分と言われています。この特性を活用することで、商品の特徴や使用シーンを視覚的に伝え、顧客が製品やサービスを深く理解するのを助けます。
ウェブサイトや実店舗への集客を促進
動画の概要欄を活用して、宣伝文、URL、連絡先などを記載することで、視聴者をウェブサイトに誘導したり、問い合わせや来店へとつなげることが可能です。
ファンベースの構築
視聴者にとって有益な情報や楽しい内容を提供することで、製品やブランドのファンを増やすことができます。定期的な情報発信により、「このチャンネル＝会社からもっと学びたい・知りたい」というファンを育成する可能性があります。
中小企業がYouTubeを活用する際にクリアすべきハードル
中小企業がYouTubeを活用する際のポイント
1． YouTubeチャンネルを運営する目的が曖昧にならないようにする
なぜYouTubeチャンネルを運営するのか？これを明確にしておくことが大切です。これが曖昧なままだと、時間や労力、コストをかけても、結局「時間かけてやっているけど、集客や売上に役立ってるの？」となってしまいます。
目的を明確にしたうえで、そのために（目的達成のために）このチャンネルではどんな効果を期待するのか？を明確にしておくことが大切です。
こうすることで、追うべき指標がハッキリするので、単にチャンネル内動画の再生数や視聴時間といった、動画関連の指標だけではなく、動画ごとのウェブサイトへのアクセス数や、それらのアクセスからのコンバージョン数やコンバージョン率など、企業活動への効果がどれくらいあるのか？を把握しやすくなります。
2．動画のアイデア出し
企業のYouTubeチャンネルの場合、個人YouTuberのチャンネルとは違い、極端なエンタメ性を追求することは難しいところです。しかし、「おもしろい動画」だけがユーザーの興味を惹きつけるわけではありません。
ユーザーのYouTubeの利用目的を見てみると、娯楽目的だけでなく、気になる商品やサービスの情報を求めて視聴するというケースも多く、商品／サービスの購入前・検討段階で、購入や選択のための情報収集をおこなうというケースで動画が見られていますから、そういったニーズに対応できる動画はアイデアとして有効です。
ポイントは、どんな動画がウケる？ではなく、お客様はどんなことを知りたがっているのか？という視点です。例えば、単なる商品説明だけでなく、専門家・プロとして選び方の基準や使い方、活用方法の解説。また、自社の考え方や取り組みなどを伝えていくのも有効です。
実際に、中小企業のYouTubeチャンネルでも、そういった動画でユーザーの興味を惹きつける動画を発信している事例はたくさんありますので、実際にYouTubeで検索をして、同業種や隣接業種などがどんな動画を発信しているのか？を参考にするのもアイデアを出すための一つの方法として有効です。
その際にはユーザーの視点も考慮しながら、「なぜこの動画の視聴数が多いのか？」などを考えてみると、動画アイデアのためのヒントに繋がるでしょう。
3．チャンネル運営の人的リソースがない
中小企業の場合、限られた人員で業務をおこなっている企業も少なくないので、なにか新しいことにチャレンジしようと思ったときに、担当できる人材がいないというのは、よく出てくる課題です。
YouTubeを活用しようと考えた場合、動画の企画～撮影、編集をこなせる人材がいないといった問題や、いたとしても日常業務との兼ね合いで時間を割きにくいといった声が出てくることも多く、特定の人に負荷がかかりがちです。
YouTubeチャンネル運営のすべてを社内で賄おうと考えるのであれば、理想としては専任で担当できる人が最低でも1人は欲しいところですが、現実的に考えると難しく、YouTubeの活用になかなか踏み切れないという結果になりがちです。
こういった場合は、解決策として外部の会社に相談・依頼することも大切です。
Parakeeet Studioでは、YouTubeチャンネルの運営からYouTube広告の運用・管理までYouTube活用をお手伝いするサービスをおこなっておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
この記事ではYouTubeチャンネルを運営するメリットや、運営の際のポイントについて解説してきました。
企業がYouTubeチャンネルを運営するメリットは
- 新しい見込み客層へのアプローチ: YouTubeは非常に多くの利用者がおり、様々な年齢層の視聴者に到達できます。特に、製品やサービスの使い方や特徴を調べるためにYouTubeを利用する人が増えているため、新しい顧客層へのアプローチが可能。
- 製品／サービスの詳細な伝達: 動画は文字情報よりも多くの情報を短時間で伝えることができます。製品の特徴や使用シーンを視覚的に示すことで、顧客が製品やサービスを深く理解し、購入に至りやすくなります。
- ウェブサイトや実店舗への集客: 動画の概要欄にURLや連絡先を記載することで、視聴者をウェブサイトや店舗へ誘導し、実際の集客につなげることができます。
- ファンの増加: 定期的に有益な情報を提供することで、製品や会社のファンを増やすことがでる。
また、運営の際に注意すべきポイントは
- 運営の目的を明確にする: YouTubeチャンネルを運営する目的をはっきりさせ、それに基づいて効果を測定する指標を設定することが重要。
- 動画のアイデア出し: エンターテインメント性だけでなく、顧客が知りたいと思う情報を提供することが重要です。例えば、製品の使い方や選び方など、専門知識を活かした内容が有効。
- 人的リソースの確保:専任の担当者を配置するのが理想。しかし、中小企業では限られたリソースで運営することが多いため、外部の専門家に依頼するなども検討する。
中小企業にとって、YouTubeは有効なマーケティングツールであり、適切に運営すれば、新しい顧客層の開拓、製品・サービスの詳細な伝達、集客の増加、ファンの形成など、様々なメリットを生み出すことができるでしょう。しかし、成功のためには明確な目的設定、ユーザーの役に立つコンテンツの提供や、それを継続していくための適切なリソースの確保が不可欠です。
